脱毛症外来

1. HOME >
2. 美容皮膚科 >
3. 脱毛症外来

当院の脱毛症外来は2つに分けることができます。

1. 円形脱毛症：

   私が以前に論文報告した「円形脱毛症２３０例の分析」をもとに外来を行っております。発症年齢や円形脱毛症の分類型により今後の予後を予測して治療法を選択しています。
   軽症な場合は、これも私が論文報告した「円形脱毛症に対する抗ヒスタミン薬の有用性」をもとに内服治療、外用治療、紫外線治療、ストレス対策などを組み合わせで治療を行っております。ほとんどの場合、この治療で発毛が見られます。あとは、如何に再発を予防するかという点が重視されます。
   広範囲の脱毛、多発性の脱毛、上記治療が効かない難治性の脱毛には、2022年から新しく「JAK阻害薬」が使用できるようになりました。かなり有望な薬で、全身性の円形脱毛症などにも有用性の高い薬です。私のブログにも書いてありますので参考にして下さい。
   円形脱毛症治療には医師に十分な経験が求められます。他のクリニックで改善しない円形脱毛症の方など、当院を受診していただければお力添えできるかと考えております。

2. AGA：

   家系内にAGAを発症している人がいる場合、若いうちから予防する事が重要です。胃癌や大腸癌の家系であれば若いうちから食事療法による予防が大切なのと同様で、AGAの場合も若いうちから外用薬の塗布やサプリメントの摂取を習慣づけるとAGA発症を予防、又は発症を遅らせる事ができると考えられます。
   この写真はAGAの予防を全くしなかった私の兄と、30才頃から予防をしていた私の現在の状況です。予防の大切さを改めて痛感させられます。

   

   予防しなかった兄 70才

   

   30才から予防していた弟（私） 66才

   まず、どんな治療もAGAに１００％効果があるものはありません。そのために異なる治療の併用が大切になってきます（後述）。
   当院では15％ミノキシジル外用、フィナステリド/デュタステリド内服（男性限定）、パントガール内服（女性用）を基本とし、これらの治療で効果が見られない場合にレーザーや注射による治療を追加しています。
   ミノキシジル外用の研究では、１％、３％、５％、１０％、１５％の各濃度の発毛効果を比較すると、効果は濃度依存性に高まり１５％が最も効果が強かった事が報告されています。 一方、１５％以上の濃度では２０％にしても効果は変わりませんでした。ですから、当院では１５％ミノキシジル外用を使用しています。

   異なる治療を併用する意味
   当院で使用する治療はそれぞれ作用メカニズムが異なります。これら異なるメカニズムの治療を併用すると、単独治療よりも効果（相乗効果）が期待できます。
   下図：例えば同じ６０％の効果があるAとBとCの治療があったとします。まず、A治療によって６０％の方が改善します。無効だった４０％の方にB治療を追加するとさらに（４０％のうちの６０％である）２４％の人に改善（有効率８４％）がみられます。この時点で残りの１６％がまだ改善がみらません。この人たちにC治療を追加併用すると同様にさらに9.6％の方が改善（有効率93.6％）する事になります。
   このようにメカニズムの異なる治療を併用する事は有効率を上げる事になるのです。

   

   

   ミノキシジル外用のみ

   

   ミノキシジル外用＋
   フィナステリド内服

   治療期間：6カ月
   費用：ミノキシジル外用 8,800円、フィナステリド 5,196円
   副作用：肝機能障害、性欲減退など

   また、当院ではミノキシジル内服は若い男性以外の方にはお勧めしておりません。突発性の不整脈の可能性や、特に女性では心嚢液貯留の副作用報告もあります。
   他のクリニックでミノキシジル錠が使われていた方が当院を受診する事はよくありますが、そのうち２例の女性に心嚢液貯留が認められた経験があります。

AGAの追加治療

料金